ヴァイパーズ・クリード
序盤は比較的丁寧な展開なわりに、中盤以降はなにかが引っかかる.要らない要素を排除した結果というより、本を書いた人が見えすぎるというか.
- 海外企業およびブレードマンに対する市民の反発が、後半まったく見られない
物語の中盤までには、世界設定の説明上必要だったためか、デモを行っている様子も語られていたが、終盤はまるでない.
中盤では、ハウンド(・・・に見せかけた、おそらく軍部が動いていた自作自演)によるテロに対し、支持する側・糾弾する側双方のデモ隊の衝突が描かれており、ハウンドへの心象は大雑把に分けると、地元市民か海外企業勤務者では異なっている.
ハウンドが掃討されると、親ハウンド側はAGS社・ユニット:ヴァイパーに敵意を抱くだろうが、対ハウンド側はとりあえずテロを撲滅され喜ぶ側だろう.
その後に、ハウンドのリーダーがAGS社の広報兼監査官と一緒に出てきて、バグメックはユニット:ヴァイパーの自作自演などと言われて、双方とも納得いくのだろうか.
海外企業を追い出してくれると思ってたハウンドさんが海外企業と組んじゃってさ.
AGS社が軍部管理下に置かれたのちは、軍がバグメックの掃討を行っているわけだが、軍部に対しても強いアレルギーがあるはずの市民が、市民ごとバグメックを撃滅する凄惨な方法に何の文句を言わないのか.すべてユニット:ヴァイパーのせいにするには厳しい.
- 統括本部長の空回り
ハウンド掃討作戦において、アジトを急襲、ハウンドメンバー全員を発見したのち、場を軍に任せている.その指示をしたのはあんただろう.
ハウンド虐殺の捏造映像が流れた後に、掌を返したようにユニット:ヴァイパーを敵視する姿には違和感しか感じなかった.まるで電脳をハックされたような.(この作品には電脳はないはず)
そんなにあの女に頭が上がらなかったのか.
- 支社長の処遇
軍のお偉方と、テレジアとウラの密談の場に居合わせるというラックの持ち主なのに、密談を録音せずに、出てきて監禁される.
秘密を聞いた割に、その場で殺害されないあたりがラックが高いんだか、軍部が頭悪いのか.
軍が絡んでたのを知っている唯一の人物で、テレジアは処分されたのに、最終回でのんきにヒマワリ畑を造っている.本当に軍部は暗躍するつもりがあるんだろうか.
- 裏社会のギレスさん
軍の企みを知っていた割に、余裕に会食して軍に殺害される役回り.軍の動向をリアルタイムに知ることはできなかったのか.結構良いタイミングで出てきたじゃないか.
- ジルさんとブレードマンの皆さん
最終回まで空気だった方々.とくにヴァイパー以外のブレードマンの皆さんは今まで何処にいたのか.
もっとも、ジル以外のサポート3人は最後まで空気だったわけですが.
しかし、軍に占拠されていたとはいえ、支社長の提案にここまでのるほど結束できるのか.
- ハルキ
てめーなんで生きてるんだよ!と最終回の最後の最後で思った人は多いと思う.
公式サイトのストーリー紹介では、狙撃されたとのみあって、生死がぼかされていたあたり、狙っていたのだろうか.それにしてもどうやっていろいろ誤魔化してたんだ.
ハルキに限らず、ユニット:ヴァイパーの皆さん全員にファンタジーが.
こんなところ.
頑張ってハッピーエンド的にしてみました感というか、ご都合な中盤以降の展開が残念なところ.