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「原発いらない3・11!福島県民大集会」に行ってみた

3月11日、あれから1年(と1日)の日に福島県郡山市開成山野球場で行われた「原発いらない3・11!福島県民大集会」とやらに行ってみた.

当日は良い天気ではあったが、丁度デモ行進の時間に天気が崩れるという予報が出ていて、内心「ざまあ」という思いがあった. まあそういう立場からこのデモを眺めた感想である. 間違っても参加してないよ.

JR東北本線郡山駅で下車. この日は日曜日であり、電車内は休日を堪能する人(と若干違う人たち)でいっぱいだった.

とあるツイートによると、ガイガーカウンターで計ってる人がいたということだが、集会の開始時間が間近な電車にのったもので、特にそういう空気が読めない人は発見できず.

駅舎を抜けると、黄色いゼッケンを付けている人がちらほら. どうやら会場までの輸送に路線バスを使わせるようだった. ルートは多分このとおり.

この路線を利用する人にはいい迷惑である. バスは満車のようだった. 私は勿論徒歩で.

ちなみに、彼らが乗った路線バスは、彼らがデモ行進している間は運行休止になっている.

【郡山管内】通行規制実施のため迂回運行および一部停留所の休止を行います(3月11日)/福島交通株式会社

この道はさくら通り. 主に学校やビルが面しており、普通はあまり歩行者がいない通りだが、車の通りが多い主要な道路である.

会場の開成山公園の東を縦に通るのは内環状線、西は国道49号線である. 国道49号線は言わずもがな、福島を横断し、西は会津若松、東はいわきに通じている. 内環状線は、市内中央部を縦断し、東京から青森を結ぶ国道4号線に繋がる道路. よく渋滞する道路である. とくに休日の夕方ともなれば.

そんな内環状線に差し掛かると、歌が聞こえてくる. 集会の目玉である加藤登紀子のオープニングコンサートらしい. ここまで聞こえてくるとなると、開成山公園の南側の住宅街はさぞ五月蠅かろう. しかし何処の電気を使ってコンサートしていると思っているのか.

会場近辺は物々しい. 内環状線各所や、対面する市役所前では機動隊の準備が. 市役所の隣には柏屋という県内ではよく知られた饅頭屋があるが、店の人が説明を受けていた.

「脱」原発集会、特に社民党共産党が参加していることもあり、街宣右翼の車もある. 郡山駅前でも見かけたが、こちらではちゃんと街宣活動をしていた. そのおかげで街宣活動が終わるまで道路が麻痺したり.

会場正門では外国人がカメラをまわして取材などを行っていた.

コンサートが終わると、誰彼かの檄文が読まれたあと、県民の代表者が登壇し現状を訴える流れ. 代表者は避難した子供・専業農家・漁業関係者といったところ. 彼らの発表中も会場内は出入りが多い.

参加者を見ると、ほぼ全ての人がゼッケン状のものを付けている. 大抵所属が書いてあるのだが面白いくらい「脱」原発とは関係の無いものばかり. というより県外の地名が入っているものばかり.

埼玉の部落解放同盟とか.

国鉄労働者とか.

14時46分になると黙祷. 郡山市では特にサイレンは鳴らさず. 黙祷が終わるとまだまだ”県民”代表者の訴えが続き、会場の出入りもまた始まる. 葛飾区の自治労所属の参加者などはご帰宅の様子.

正門側からスタンドを覗いてみると、大して大きくない野球場なのにバックスクリーンに映像を流していた. ちなみに、電気は大切にね!っていうCMは見た記憶が無い.

15時をまわって、ようやく集会終了. デモ行進へと移ることに.

のぼり多いよね. このほとんどが「脱」原発に関係ない、団体名が書かれたのぼりなんだから.

ここで面白い指示が行われる.

福島県内の参加者は上図の緑のルートを、県外の参加者は赤のルートを通るようにとのお達し. 公園の正門は赤ルートのほうである. 赤ルートはデモによる通行止めの区間だが、緑ルートは違っており(上の福島交通のリンク参照)、参加者は(多少広いけど)歩道を通るのである. 県民大集会とはなんだったのか.

開成山公園の内部で、コンサートで使った大きいスピーカーを使って女性が「原発止めろ」「就職させろ」などと訴えを並べるなか、拡声器などを使って県外参加者がさくら通りへ繰り出していく. 県内参加者は公園内部で声を上げつつ、歩道に出たらただ歩くだけ.

県内参加者がこの緑ルートを歩く理由は、赤ルート、県外参加者を追っていくと理解できた.

県外参加者は、上図の赤ルートまでサウンドデモを行い、国道49号線にのると南下. もちろんここは交通規制されていないため、県外参加者はデモ行為を止め、歩道を歩くことになる. 一部自家用車で来た参加者以外は全て上図の青ルートを辿っていく. 49号線を東に曲がった先は「文化通り」. 文化通りを東へ駅方面に行くと、郡山市立図書館、市民文化センター、ついでにNHK郡山局などがある.

途中、交差点に差し掛かると「お疲れ様ですー」などと声を掛けられ、ここで(南方向へ)曲がれと指示される. その先にあったのは、

バス群.

ここにたどり着いた時点でおおよそ40台. 東京をはじめ東北・関東・北陸あたりから来たバスで埋め尽くされている.

上図の赤枠にバスが停車していて、各バスに番号が振られている. 県外参加者は何番のバスに乗ってきたか把握しており、その番号のバスに乗ってまた帰って行くという仕組み. 各バス全員乗ったら出発し、また違う番号のバスがここに来るといった流れであった.

要はデモ行進し終わったら直帰なのだ.

県内参加者はおそらく、デモ行進が終わったらそのまま郡山駅方向へ徒歩で帰ったのだろう.

面白いのはバスの借りた名義である. てっきりこの集会の名称が書いてあると思えば違っていて、各団体の名称での借り上げである. 「原水禁」あたりはストレートでいい. 「神奈川交流」なんたらはカモフラージュに近い. 中には名字のみのものも.

ナンバリングは50を超えていて、うち2台編成のものもあったため、およそ70台を超えるバスがここに来たと思われる. 全参加者の4割は県外参加者か.

葛飾自治労江戸川区自治労、松戸自治労新日本婦人の会、千葉女性会議、市川市民の会、東京ふれあい医療生協、九条の会、YMCA、都教組...etc これらの主に「団体」がこのデモの主体. まあいつもの連中と言えばそのとおりで、

そりゃそうだ. ほとんどが「デモがしたいから」デモに参加している「団体」なのだから. むしろ、個人が多数参加したフジテレビデモがマスコミ総スカンだったほうが謎だろう.

翌12日の福島民報.

社会面・政治面などが全面的に3/11特集のなか、デモ行進に触れているのは、

わずかこの部分だけである. デモ行進も県内参加者のほうを撮影している. 写真では隠しきれていないが、参加者ののぼりに「まもれ年金」

ついでに言うと、この日都内と青森でもデモがあったのは後で知ったことだった. 紙面では一切触れられていない. 思い返せばあのバス群の中に青森のものが無かった様な.

願わくば、来年はこの集会が開かれないことを.

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以下箇条書き.

  • 周囲のコンビニで、店外で煙草を吸っている人がざっと並んでいる光景を2度ほど見た.(というより2軒見かけて2軒ともそんな感じだった)
  • トイレまで歩き煙草してる輩がいた
  • デモ行進のため参加者を野球場から外に出した後、スタンドではゴミ拾いが行われていた
  • 参加者の平均年齢は高め
  • バスの集合場所までにコンビニに寄っていく人多数. 中にはJINROを買っていった人も
  • 途中参加者に紛れて歩道を歩いていると、参加者が落としたチラシが1枚落ちていたり. 誰も拾わない
  • 「バス来ないなぁ」「渋滞に巻き込まれてるっぽい」
  • スクラム組んで歩いた方がよかったね!」